Rパッケージにスターを送るパッケージ ThankYouStars を作成しました

先日 @teppeis さんが 依存しているnpmライブラリにGitHubスターを送るツール を作成されました。

それに触発され、R言語バージョンを作ってみました。

github.com

スターでパッケージ作者に感謝の気持ちを送りましょう。

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mapeditパッケージで、地図上のメッシュを選択する

前回は地域メッシュのシェープファイルを入手し可視化するところまでやりました。 今回はその続きです。

前回↓

ksmzn.hatenablog.com


今日の環境はMacです。

前回、新宿近辺のメッシュのみを抽出しましたが、では新宿近辺のメッシュをどうやって調べればよいのでしょうか。

おそらく最も手軽なのはWebサービスを使って、ブラウザ上で確認することだと思います。 「Geocode Viewer」「地図上で標準地域メッシュを確認するページ」 が便利です。

しかし、本シリーズはRでチャレンジすることが裏テーマなので、メッシュの選択もRでやってみましょう。 mapedit パッケージ を使うことで、地図上でフィーチャーを選択できます。

mapedit パッケージは、フィーチャーを選択するだけでなく、線や図形を書いてsfクラスとして取得することができるので、 メッシュ以外でも便利です。

くわしくは公式のページをご覧ください。

mapedit - interactively edit spatial data in R

それでは mapedit パッケージをインストールしましょう。 mapedit のREADME に従い、インストールします。 mapview パッケージは develop 版であることに注意してください。

devtools::install_github("bhaskarvk/leaflet")
devtools::install_github("bhaskarvk/leaflet.extras")
devtools::install_github("r-spatial/mapview@develop")
devtools::install_github("r-spatial/mapedit")

次に、 sf クラスのオブジェクトを用意します。 詳しくは、前回の記事を参照してください。

library(tidyverse)
library(sf)
d1 <- sf::read_sf("./Downloads/L03-a-14_5339-tky_GML/L03-a-14_5339-tky.shp", options=c("ENCODING=CP932”))

それでは、mapedit パッケージを使っていきましょう。 今回は地図上のフィーチャーを選択したいので、selectFeatures() 関数を使います。 selectFeatures() 関数は v0.2.0 から追加された、比較的新しい機能のようです。

使い方は簡単で、単純に sf クラスのオブジェクトを selectFeatures() 関数の第一引数に入れるだけです。 めっちゃラクだ…。

library(mapview)
library(mapedit)
mesh_shinjuku <- d1 %>% 
  mapedit::selectFeatures()

これを実行すると、mapview と同様に地図が開きます。

f:id:ksmzn:20170629123428j:plain

欲しいフィーチャーをクリックして選択し、右下のDoneボタンを押せば完了です。

返り値として sf クラスが返ってくるので、その後も普通に分析可能です。 すんごいラクだ…。

> mesh_shinjuku
Simple feature collection with 4 features and 13 fields
geometry type:  POLYGON
dimension:      XY
bbox:           xmin: 139.6875 ymin: 35.68333 xmax: 139.7125 ymax: 35.7
epsg (SRID):    4326
proj4string:    +proj=longlat +datum=WGS84 +no_defs
     メッシュ 田 他農用地  森林 荒地 建物用地   道路   鉄道 他用地 河川湖沼 海浜 海水域 ゴルフ場
3626 53394525  0        0 73182    0   710914 219547      0  31364    10455    0      0        0
3627 53394526  0        0 94091    0   606364 146364 188181  10455        0    0      0        0
3637 53394536  0        0     0    0   919905  62721  62721      0        0    0      0        0
3636 53394535  0        0     0    0   951272  41814      0  10454    41814    0      0        0
                           geometry
3626 POLYGON((139.6875 35.683333...
3627 POLYGON((139.7 35.683333333...
3637 POLYGON((139.7 35.691666666...
3636 POLYGON((139.6875 35.691666...
> class(mesh_shinjuku)
[1] "sf"         "data.frame"

新宿の4メッシュだけが入っています。

当然、このオブジェクトを mapview すれば、該当メッシュだけが可視化されています。

mesh_shinjuku %>% 
  mapview

f:id:ksmzn:20170627124654p:plain

完璧ですね。 だいぶスムーズにデータ分析できそうです。

GIFアニメを作ってみました。 地図を開いてメッシュを選択し、新宿メッシュのみを可視化する様子です。 容量ギリギリだったので少し見にくいのはご容赦ください…

f:id:ksmzn:20170629124601g:plain

EDIT [解説・ボーナストラック付き国内盤] (BRC-192)

EDIT [解説・ボーナストラック付き国内盤] (BRC-192)

【追記あり】sfパッケージでシェープファイルを読み込んでmapviewパッケージで可視化するまで

お久しぶりです。 位置情報データ分析をやっていくことになりました。 素人なので備忘録を書いていきます。 GISを使えませんが、Rなら少々できますので、限界が来るまでRでチャレンジしてみます。 周りにRで位置情報分析をする人がいない環境なので、ツッコミを欲しています。 何卒よろしくお願いいたします。


今日の環境はMacです。

まず、位置情報データを入手し、可視化することにチャレンジしてみます。 今回のお題は地域メッシュです。とにかくシェープファイルを入手することからスタートです。 位置情報系のデータは、国土数値情報ダウンロードサービスに多くのデータがあるので、今回もこちらを使用します。下記URLです。

国土数値情報 土地利用3次メッシュデータの詳細

全国分をダウンロードすると容量が大変なことになりそうなので、東京都のデータだけにしておきます。 zipを展開して任意の位置に配置します。

シェープファイルの取り扱いには sf パッケージを使用するのが 2017年現在ナウいようです。詳しくは いつもお世話になっている @yutannihilation さんの下記ブログをご参照ください。

notchained.hatenablog.com

では、まずはシェープファイルを読み込みます。

> library(sf)
> d1 <- sf::read_sf("./Downloads/L03-a-14_5339-tky_GML/L03-a-14_5339-tky.shp")
 make.names(vnames, unique = TRUE) でエラー: 
   '<83><81><83>b<83>V<83><85>' に不正なマルチバイト文字があります 
 wrapup 中にエラーが起こりました:  '<83><81><83>b<83>V<83><85>' に不正なマルチバイト文字があります 

怒られました。

sfパッケージにおけるマルチバイト文字を含むシェープファイルを読み込む方法が結局わからなかった*1ので、今回は従来の方法のひとつである rgdal パッケージで読み込んでから sf パッケージで使えるクラスに変換する方針でやっていきましょう。

> library(rgdal)
> d1 <- rgdal::readOGR("./Downloads/L03-a-14_5339-tky_GML/L03-a-14_5339-tky.shp", encoding = "Shift_JIS") %>%
+   sf::st_as_sf() # Convert to an sf object
OGR data source with driver: ESRI Shapefile 
Source: "./Downloads/L03-a-14_5339-tky_GML/L03-a-14_5339-tky.shp", layer: "L03-a-14_5339-tky"
with 6300 features
It has 13 fields
Integer64 fields read as strings:  田 他農用地 森林 荒地 建物用地 道路 鉄道 他用地 河川湖沼 海浜 海水域 ゴルフ場 
> d1 %>% head
Simple feature collection with 6 features and 13 fields
geometry type:  POLYGON
dimension:      XY
bbox:           xmin: 139 ymin: 35.33333 xmax: 139.075 ymax: 35.34167
epsg (SRID):    NA
proj4string:    +proj=longlat +ellps=bessel +no_defs
  メッシュ    田 他農用地    森林   荒地 建物用地 道路 鉄道 他用地 河川湖沼 海浜 海水域 ゴルフ場
0 53390000     0        0 1050436      0        0    0    0      0        0    0      0        0
1 53390001     0        0  976895      0        0    0    0      0        0    0      0    73530
2 53390002     0        0  808820 241595        0    0    0      0        0    0      0        0
3 53390003     0        0 1050404      0        0    0    0      0        0    0      0        0
4 53390004     0        0 1039890      0    10504    0    0      0        0    0      0        0
5 53390005 42015   136550  829804  21008        0    0    0  21007        0    0      0        0
                        geometry
0 POLYGON((139 35.33333333333...
1 POLYGON((139.0125 35.333333...
2 POLYGON((139.025 35.3333333...
3 POLYGON((139.0375 35.333333...
4 POLYGON((139.05 35.33333333...
5 POLYGON((139.0625 35.333333...

いい感じです。


【追記01: 2017/06/27 20時】

コメントにてsfパッケージで読み込む方法を教えていただきました。 Macでもマルチバイト文字がきちんと表示されていました。 id:aaaazzzz036 さん、ありがとうございます。

d1 <- sf::st_read("./Downloads/L03-a-14_5339-tky_GML/L03-a-14_5339-tky.shp", options=c("ENCODING=CP932"))

【追記02: 2017/06/29 11時】

sf::read_sf 関数でも同じオプションでOKです。

d1 <- sf::read_sf("./Downloads/L03-a-14_5339-tky_GML/L03-a-14_5339-tky.shp", options=c("ENCODING=CP932"))

では、可視化してみましょう。

位置情報データの可視化には mapview パッケージを使ってみます。 今後の目標としては sfmapview をある程度使えるようになりたい というものがあります。

今回はお試しなので、新宿近辺の4メッシュほどを可視化してみましょう。

> library(mapview)
> library(dplyr)
> d1 %>% 
+   dplyr::filter(メッシュ %in% c(53394525, 53394526, 53394535, 53394536)) %>% 
+   mapview::mapview()

f:id:ksmzn:20170627145320p:plain

こちらもいい感じです。左のボタンからOpenStreetMapに切り替えると見やすいですね。

今の例のように、sf パッケージも mapview パッケージも、tidyverse系ライブラリと組み合わせて使えるのが便利すぎます。

今後も少しずつ sf パッケージと mapview パッケージをやっていきます。

SFが読みたい! 2017年版

SFが読みたい! 2017年版

*1:ご存知のお方は、教えていただけると幸いです…